■ 抄録・要旨
| 埼玉県では、堂平山(堂平山観測所)及び騎西(騎西観測所)の2地点で、WMO標準ガスを基準とした二酸化炭素濃度の観測を継続している。比較的清浄な堂平山における二酸化炭素濃度は、年平均値が毎年約2ppm増加し、月平均値が約9ppmの振幅で季節変化を伴うため、一定の数値以上を高濃度とすることはできない。そこで、堂平山と騎西における二酸化炭素濃度の差に着目し、堂平山における二酸化炭素濃度が騎西よりも高濃度となった事例に対して解析を行った。さらに、人為的な排出源からの影響を考慮するため、一酸化窒素濃度との関係についても検討した。その結果、堂平山における人為的汚染によると思われる高濃度事例は、月別には6月と12月から3月に、時刻別には11時から17時に多くみられ、2010年以降に回数が急激に減少していることが分かった。また、植物の光合成により騎西の濃度が相対的に減少している場合もあると考えられた。
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